全く。余計な事を考えて・・・

まぁ、ヤキモチを妬かれるのは、

悪い気はしないが。

・・・

気を取り直し、のれんをくぐる。

私は、亜紀の手を取り、

一歩先を歩き出す。

・・・

着物は歩きにくいのか、

いつもより、少し歩くのが遅い亜紀。

私はそんな亜紀の歩調に合せ、

ゆっくりと街中を歩いていく。

・・・

「宗吾さん」

「なんだ?」

「何で着物だったんですか?」

「やっぱり京都デートは、着物が着たいと

思って…というのはたてまえで、

本当は、亜紀の着物姿を見て見たかったと言うのが本音だ」

そう言って振り返ると、

亜紀の顔は真っ赤になっていた。

その顔がやけに、色気があって、

無意識に握る手に力が入った。

他の男が亜紀を見たら、きっと、

惚れてしまうと思うと、それだけで、

嫉妬してしまうから・・・