「よく言うだろ。人間見たくないものは目に入らない、聞きたくないものは聞こえてこないように出来てる…って…。

今の理人……そういう力が働いてるんじゃないか……」


「そんな……」



ズキンッ――…



そんなわけないって思うのに、とてつもなく胸が痛いのはどうして―――?



『―――理人は美桜が好きだから…』



ううんっ。


目を瞑ってふり払う。




「そんな非科学的なこと、信じないっ……」


言い終らないうちに、翔平はあたしを抱き締めた。