「…理人の生い立ちの手がかりがあったんだもん……あたし達のだって、何かあると思わない?」
賛同を求めるように翔平の黒目を見つめたけど。
「わざわざあんなとこに隠してるんだ。俺達が知って得するようなことは何もないだ
ろ」
なんの興味もなさそうな声。
ズキンッ――…
鋭い何かに突き刺されたような痛みが胸を走る。
翔平……
いつも頑なに実親の話を拒んでいたけど、この間、あたしに言ってくれたよね……?
あたしを愛して、実親のことも考えるようになってきた…って…。
理解してもらえると思っていただけに、翔平の言葉はショックが大きかった。