「俺だったら、美桜がそんなことされたら、相手が誰だろうとぶっ飛ばしに行く」 真っ直ぐに放った翔平の言葉が、闇に溶けていく。 風が、柔らかく頬を撫でていった。 嬉しかった。 純粋に。 普段感情をあまり表に出さない翔平からの熱い想いに心が震える。 ……もう……十分だよ。 翔平は、あたしと"兄妹"という関係を強く望み、 あたしの間違いを聞かなかったことにしようとしてくれてるんだ。