一人分ほどの間を開けて、翔平が座ったベンチに腰かけた。 木が生い茂った公園。 見上げた夜空には、さっき綺麗に見えた月が見え隠れしていた。 教会の十字架も見える。 翔平は、あたしに何を話すんだろう。 せっかくここまで進めたのに、また蒸し返されたらスタート地点に戻っちゃう……。 右側に張りつめた緊張を感じながら、十字架を見て心を落ち着けようと頑張っていると。 「和馬いるだろ?」 「えっ、和馬くん?…あ、うん……」