……逃げ出したい。


微妙に体が動いたとき、翔平の口が開いた。


「座らないか?」


翔平は公園の中のベンチを指し、あたしの返事も待たずに歩いて行った。


「………」


もしかして理人は。


わざとあたしを外に行くように仕向けたの?


異様に落ち着いた翔平の背中を見ているとそう思えてしかたない。


…2人でなにかを企んでいたんだ。


そこまでされたら、諦めてついて行くしかなかった。