「優ちゃーん♪」

教室に入りながら叫ぶ私は周りに冷たい目で見られても全く気にしない。

「どうしたの?」

至って冷静な優ちゃんは楓に肩を抱かれながら雑誌を読んでいる。

特に表情を変えるわけでもなく…

しかもまだ付き合っていない二人…

また楓がくっついていったんだろう。

最初は優ちゃんも楓に『重い』て言っていた…

だが楓とはしぶといもので離れないのだ。

それから優ちゃんは楓の存在を抹消したのだ。

残酷な優ちゃんに私は胸キュン♪

なんてなるわけもなく楓が可哀想に見えてきたのだ。

「聞いてよぉ~」

「聞いてるじゃない。」

弱々しい私の声に何とも冷たい言葉をサラッと言ってのける優ちゃん…

「琉輝也君が!楓に嫉妬するうえに優ちゃんにまで嫉妬するんだよ!!」

机をバンバン叩きながら言う私に冷たい目を向ける優ちゃん?

「五月蝿い…それにそんなこと言ってもノロケにしか聞こえないわ。」

「そんなぁ~」

優ちゃんなら何とか言ってくれるかと思ったのに…!

「瑠美は知らないだろうけど…あんたが私に抱き付いてくると私が雨宮に睨まれるの。」

とてつもなくうんざりした感じで私に言う優ちゃんに私の心は崩壊寸前…