店を出て以来 藤城直樹は全く喋らない。 …ってか この道じゃあたしの家と逆方向だし。 「ねぇ…」 あたしの声が聞こえないのか あいつは反応しない。 「ちょっと!藤城直樹?」 「あぁ、ごめん…何?」 「あたしの家、逆方向。」 「え!ごめん…はぁ…俺かっこ悪いとこばっかじゃん…」 「え?」 「うんん、何でもないよ。帰ろ」