(…あれ?ここ…?)
目を開けると
そこには白い天井と
心配そうに私を見つめる男の子。
…あ、私ゴミ捨てに行って
この人にボール渡そうとして…
「あ…こんちはっす
…えっと、大丈夫?」
「あ、はい…」
そう言って座ろうとすると
またちょっとめまいがした。
するとその男の子が
私を制してまたベットに寝かせる。
「熱中症っつーより軽い貧血
あんた、ちゃんと飯食ってる?」
「へ?」
いきなり何を言うんだろ、この人
「って、先生が。」
あ…そういうことか。
「でもあんた、めっちゃ軽かった
ちゃんと飯は食った方がいいよ
…んじゃ、ボールさんきゅ」
それだけ言って
その子は保健室を出てった。
なんだろ…顔が熱い
「あ、平田くーん!
村松さんもう目覚めたの?」
廊下から聞こえる先生の声。
平田くん…って言うのか。
てか
軽かったって…
運んでくれたの?
いや、絶対重かったよね。
恥ずかしいなぁ…
“平田くん”かぁ…。