「おっす…」
「あ、うん。…どうしたの?」
走ってたのかな?
めっちゃ顔が火照ってる。
だけど
いつになく真剣な表情。
「ちょっと話ある。上がっていい?」
「う、うん」
な、なんだろ…?
「ん、じゃあお邪魔します。」
そう言って
靴を脱いで階段を登ってく。
え?
私の部屋行くのかな?
「ま、待って…!」
ジュースとお菓子を持って
私も急いで階段を登った。
へ、へや
ちゃんと綺麗だよね?
どーしよ!
何が起きてるの⁉
階段を登りきって二階に着くと
藍斗が私の部屋の前に
しゃがみこんでいた。
「ど、どうしたの?」
「え?」
「部屋…入るんじゃないの?」
「一応待とうと思った。女の子の部屋だし。」
「そ、そっか///」
あーどうしよ
また絶対真っ赤になってるよ。
いきなり“女の子”なんて。
「ど、どぞ…入って」
「ん、さんきゅ」
部屋に入っても
ずーっと黙ってる藍斗。
なんか変
いつもなら
『部屋きったねー』
とか
『まだぬいぐるみ置いてんの?』
とか言って
いじわるな顔で笑うのに。
ずーっと黙って
何か考えてるみたい
何しに来たのかな…?
考え事しに
わざわざ私の家にくるとは思えないし。