ピピーッ!
審判の笛と共に
ボールが高く舞い上がる。
先輩との身長差、約20センチ。
でもそんなん
俺が20センチ先輩よりも多く跳べば
関係ないし。
キュッー
2人のバッシュの音がやけに耳に響く
応援の声なんか耳に届かない
パッー
俺の手に
確かなボールの感触。
俺のチームにボールがわたった。
「なんか気合い入ってんな」
すぐ後ろから聞こえた八木先輩の声。
「はいっ、お陰さまで」
何人ものバッシュの音が響くなか
八木先輩と交わすことば。
俺をますます掻き立てる。
八木先輩の向こうにある
にいなの笑顔に会うために。