ダンッ…
「…ちっ」
またシュートをはずした。
「おいおい、今日調子悪いんか?」
げ、八木先輩。
「いえ。」
さっきの唐沢の話を聞いて
つい、八木先輩に冷たくなった。
「なんだよー、
体調悪りぃなら休めよー?」
いつもならありがたい
八木先輩の気遣い。
八木先輩は
いつでもちゃんと周りを見てて
実力もあって
唐沢の言った通り
頼りがいのあるキャプテン。
でも今は
八木先輩の優しさも
余裕なように見えてむかつく。
「おーし、じゃあミニゲームすっぞー
まずAとBからー」
「「「はいっ」」」
みんなの返事が揃う。
「…はい。」
俺も一応返事をして
コートの外に出る。
俺はCチームで八木先輩はD。
最悪…次あたるじゃん。
「はぁー…」
ついもれるため息。
なんでよりによって八木先輩が
にいなに告るんだ!
確かににいなはかわいいしかわいい!
あのふわふわな髪は触りたくなるし
ちっこい手は握りたくなるし
あんな真っ赤な顔されたら
もっといじめたくなる。
うわ、俺最悪かも。
でも
あの髪も手も照れた顔も
俺のものじゃない。