本棚をぬって奥まで走るが足が重くてうまく進めず、やがて腕が捕まり勢いよく床に押し倒された

寒河江が容赦なく馬乗りになって私の肩を床に押し付ける。

その力に怒りを感じる程…

「終わりかよ?遠慮なくヤらせてもらうからな!」

涼しい顔でネクタイに手をかけ、ゆっくりほどくと力いっぱい私の両腕を引き上げ、頭の上で縛る

「や、やめて…冗談でしょ?こんな、信じられない!!」

脅しだけだよ!きっとそうに決まってる!

涙がぽろぽろ流れ落ちる

綺麗な顔立ちの少年が、それを残酷な程冷静に見下ろしていた。

自分の身体の震えが目に見える…


怖い!

寒河江の手が優しく涙を拭い、頬に手を寄せてそっとキスをしてきた

「…泣いてもダメだ」

寒河江がゆっくり立ち上がり、私を抱き上げて窓際の二人掛けソファに寝かせる

寒河江が髪を撫で覆いかぶさるように乗っかり、キスをしてきた

「…俺のファーストキスはすげえ好きな奴だったけど、初めてヤったのは違う奴だった。
所詮、そんなもんだろ?こんな事…」

「やめて…、今なら引き返せる。何でも言う事を聞くから、お願い…」

「…だったらヤらせろよ」