ほっとする…

心の中に温かい物が少し広がるような気がしていた。



私は震える身体で両膝を付き、手をついて頭を下げる

「お願いします、今度から何でも言う事を聞きますので、許してください…」




しばらく沈黙した後、はあと言うため息が聞こえた…

「お前、プライドねぇなー。もういいよ。行けよ」

寒河江がドアから離れ、扉を開ける。

ようやく安堵して立ち上がった

緊張が解けて、顔も緩んだ

やっぱりそうだよ…ただの脅しだった

そんな事するはずがない…

出来るはずがない





一応慎重に寒河江の横を通り過ぎ、急いで教材室を抜け、廊下までのドアに手をかける



ガチャガチャ…



ドアは全く開かなかった…


私は安心の中からまた恐怖が湧き出てくるのを感じた


開かない!開かない!!

何でよ!?なんで…?



手に汗をかいていたせいか何回か滑り、取っ手から指が外れる


何度もドアノブを回して開けようとしたがびくともしない!

そのうち後ろから笑い声が聞こえてきた。




私はだんだん近づいてくるその声に恐怖を感じて振り返る