「……おれはあんなに緊張してたのに」


勇気を振り絞った、男の大勝負だった。

それなのに、こいつときたら。


「マジで襲ってやろうかと思ったわ」


安らかな寝顔には、さすがに笑うしかなかった。

でも、なんだか幸せだった。
心が満たされていくのを感じた。



好きな女の子が、自分の隣で幸せそうに眠る姿。



このままずっと、時が止まればいいと思った。

帰したくない、もっと隣にいて、いろんな顔が見たい――そう思った。