もう何年前になるのか……あの春の終わりの日に、勉強会後に連れてったドライブ――あの展望台からの帰り、おれはたしかに言った。


“好きだよ”――と。


助手席に座る彼女の顔を見るのが怖くて、おれは前を向いたままだった。


7こも歳上の適当な大学生を、果たして彼女は恋愛対象として見ているのだろうか?

彼女もほんとうは、自分に合ったクラスの男の子なんかに恋をしているのかもしれない――



おれの頭の中は、不安と緊張でいっぱいだったのに。