思わず涙が出るんじゃないかってぐらい、心が震えている。

気が狂いそうなくらい。



今彼女は、おれの腕に頭をあずけてすっかり夢の中。

あの頃よりずっと大人になって、ずっと綺麗になったその顔も――あどけない寝顔は、昔のままだった。


「おれさ、ほんとは告白してたんだよ?おまえは寝てただろうけど」


悔しくなって、そう小声でぼやいてみる。

さすがに激しく抱いたのが効いたのか、まったく起きる気配はなかった。