「月華」 近藤さんの声で我にかえる。 自分に嫌気をさしながらも近藤さんの次の言葉を待った。 「月夜くんは…」 月夜、…兄様… 私の実の兄であの日に死んでしまったはずの兄様… 「生きているのか?」 少しばかり希望が含まれた声にどこか寂しさを覚えた。 解かっている。 私と兄様は違う。 “無力な花は咲くことは許されない” 「違う!!」