月華side





懐かしい夢を見た。




兄様と父様と竹刀を夢中に振りかざしていた。



「月夜!そうだ、もっと早く!」


「はいっ!」


「月華っ月夜にあわせるな!」


「はいっ」



私は昔から自分の流れで試合するのが苦手だった。



「ふふ、頑張っているはね、でもご飯よ」


「わーい!」


私は昔から母様のおにぎりが大好きだった。



その日も父様と兄様と母様と笑っていた。






月は私を笑っていた。



そして、


次の瞬間には月も家も父様も母様も赤に染まっていた。








あれ…?



兄様は?