月華side
「は?」
「どんな子かなって試したんです」
「ふざけてるのか?!」
離せなくても耳は大丈夫だから会話は聞こえる。
今にも土方さんは山崎を殴りそうだ。
山崎が何も言わないのは、私が言えなくさせたからだ…
『山崎、このことは絶対に言わないで』
あの一言が彼を縛っている。
それは私の所為。
「歯食い縛れ!!!!!!」
土方さんは堪忍袋の緒が切れたんだろう山崎に殴りかかろうとする
私はとっさにその振り上げた腕に抱きついた
「っ?!」
土方さんは驚いて声もださない
声が出ない私にはどうすることもできなくて、只、心の中でやめてとしか言えなかった。