拷問部屋には痛々しく彼女の血がこびり付いていた。
そして頬に彼女の血をつけた歳はただ呆然と立ち尽くしていた。
「歳…」
私が声をかけると罰の悪そうな顔をし手で目元を隠した。
「すまねぇー近藤さん…」
「歳、「知らなかったとは言え、あんたの恩人の子を…」
悔しそうに頬を濡らす歳に私は罪悪感が生まれる。
気付かなかった私が悪い。
あんなにあの子の傍にいていつも私に笑いかけてくれていたあの子を忘れるなんて、
「歳、謝りに行こう」
膝を地面に付く歳の腕を掴みできるだけ声が震えていないことを隠しながら言った。
「あぁ、」
歳も頬の雫を彼女の血と一緒にぬぐい歩き出した。
総司も原田くんも永倉くんも私たちの後を追って来てくれた。
近藤side*end