腰に下げている刀を素早く抜き時斗に向かって振り下ろす


だが、簡単にそれはふさがれた


キィィィィィン


刀の交わる音が静かな道に響く。


私は刀の先にいる時斗を睨んだ


そして動く唇の動きに私の身体は動かなくなった



「月夜(つきよ)、元気にしてるよ?」



ニタリと笑う時斗に苛立ちながらも頭は着いていかない。



「どういうことだ?!」


「さぁ、どういうことでしょう」


「とぼけるな!!!!!」


「でも、一つだけ教えてあげる。あいつは今長州側にいるよ」



やはり、私は可笑しいのか。


だって、長州側にいるなんて…


「ありえない!!!!!」


「ふふ、さぁどうだろうね。じゃぁ、またね~」


「待て! 」



時斗は私の声を無視して走り去ってしまった。



どういうこと?


月夜が元気にしてる?


長州側にいる?


なんで?

ありえないよ…