「平助…?」




つい漏らしてしまった彼の名に後ろの彼が敏感に反応する。




「えっ?!」




彼も私に気付いてくれたのか目を見開きながら口をパクパクさせている。


でも、一番驚いているのはこの状況だ。


何故、一がいるの?


そして普通に話をしている一とススム。


二人は知っていた?


知っていたというのは可笑しいのだろうか。


でも、何故?


「とにかくあそこへ移動しよう」



一が私の疑問に気付いたのか場所を変えるらしい、けど、とにかくあそことは場所は決まっているという事なのだろうか…。







そしてまた本当に近いところにあった宿へ入った。



わけが解かっていないのは私と平助だけのようだ。



一室へと通されると私はススムに噛み付くように身を乗り出した。




「ちょっとッ?!
どういうことなの?!」