「あぁ、それはね?」
看板娘がトテトテと近付いてくる。
「この赤い糸って何??」
「只の糸にしか見えねぇけど…」
「まァッ!ただの糸って…
ふふ、これはね愛し合う二人の小指に括り付けるの。
やってみる?」
やってみたいッ!と喉まで出ていた言葉を飲み込んだ。
こういうのは確か平助は苦手だったはず。
チラリと視線を動かすと真剣な顔をした平助がその赤い糸を見つめていた。
「平s「やってみよーぜ」
ニコッと笑った平助は看板娘さんにお駄賃を渡してお願いしますなんて行っている。
「ちょ、ちょっと待って平助っ…。」
「したくねぇの?」
「し、たいけど…いいの?」
「当たり前だろ?」
またニコッと笑う平助。