平助side
「は…?」
扇で緩めた口元を隠し三日月型の目をこちらに向ける。
「な、に…言っているんですか…、伊藤さん…」
俺の返事が気に入らないのかピシャと扇を閉じ俺にそれを指す。
「だから、ここを離脱する、お前もついて来い。」
先ほどまでは疑問だった言葉は命令へと変わる。
「私と十二名の隊士、あと…そう、斉藤くんも連れて行くつもり。
あと、お前とな」
また扇で緩む口元を隠す。
一くんがついていくなんて…
新撰組命の一君が…
けど、俺はあいつがいる。
「俺h「行かないなどとは言わせんがな?」
クスリと笑う伊藤さんは扇で手を叩いた。