月華side




祇園祭が始まってからもう何刻も経つのに一行にその賑やかさはおさまらない。




ピィ~ヒョロロンー、ピィ~




笛が鳴り響き大人も子供も笑ってる。



「月華はぐれんなよ?」


ーコクン



人ごみに入り込んだ私たちは隊務をこなすだけ、なのだが…



ちょっとだけ背の低い私には周りとの身長差から少し歩くのがきつい…




「ふっ」



前から小さな笑い声が聞こえふと顔を上げると口元を緩めた平助。


何故笑っているなんて疑問は考えなくてもわかる。



絶対に私を馬鹿にしてる…




ードン



「キヤッ、すみませんっ、」



あまりの人の多さに何度も人にぶつかってしまう。


申し訳なさでいっぱいになっていると手に温もりを感じた。


ードキッ


そのぬくもりは平助のもので平助の瞳には私が映っていた。