月華side
ピィ～ヒョロロン、ピィ～
町で響く笛は屯所内にいても聞こえてきていた。
今日はここ京の町で祇園祭が行われている。
子供も大人も関係なく賑わっていた。
しかし、私たち新撰組にはお祭りは楽しいものであって迷惑なものでしかない。
何故なら、お祭りと浮かれて酒を飲み、酔うだけ酔いまわりに迷惑をかける馬鹿共がいるからである。
だから昼と言うのに私達はいつもなら二組で動くのだが今日は半組が巡察に廻っている。
本当に、迷惑な話だ。
「お?月華何やってんだ?」
「左之さん…いや、別に何も…左之さんこそ、何でここに?
此処は八番組が廻る区域でしょ?」
「あ?
ここは十番組だぜ?」
…そう言えば何故か皆の姿が見えないような気がしたんだ…
「はは、お前にしちゃぁ珍しいなぁ、間違えるなんて…」
「あ、はは…」
「平助と、何かあったからなのか?
「は、は…」
