「仕方ねぇだろ?芹沢さんの意見なんだから」
黒い奴、芹沢さんがいないからってそんな大口…
「別にいいじゃない。
どうせ、キミは僕達に勝てないんだ」
腹黒は私を馬鹿にするように笑う、が、目は笑っていない。
「私が弱いなんて誰が決めた?」
私も挑発的な笑みを浮かべる。
私を腹黒の間では火花が飛び散った。
「とにかく、おい斉藤相手してやれ」
「御意」
「え?この空気から僕が相手になるはずでしょ?」
「総司、お前は黙ってろ」
腹黒はちぇと言い、もう興味がないのか端っこの方で胡坐をかきこちらを見ていた。
それにしても私の相手は無口野朗か…
まぁ。
確かにこいつは強い。
直感でそんな感じがした。
「竹刀と木刀どちらにする?」
「木刀」
私がそう答えると廻りにいた奴等意外の隊士が「命知らず」なんて笑っていた。
やはりこいつは相当強いのだろう。
「両者構えて」
黒い奴の掛け声で私と無口は構える。
この瞬間で月華の雰囲気が変わったことに気付いたのは幹部以上だけだった。
「始めッ!!!!」
黒い奴の合図で私と無口は動いた。
一瞬の出来事だった。
「引き分けだな…」