今でも好きと言葉にするんは照れてしまう。



隣では平助がニヤニヤしてこっちを見ていた。



「い、急ごうっ準備しなきゃっ」


「あ、逃げた。」



平助の視線から逃げるように私は平助をその場において部屋へ向かった。




それにしても何年ぶりだろうか…


たんたんと行く場を変えていたから正確にいつ江戸を出たのか覚えてないや…。




「月華?」




追ってきたのか汗をうっすらと浮かべた平助は私が立ち止まっていたことが不思議だったのか顔を覗きこんできた。





「ううん、何でもないよ、準備しよっか」




まぁ、今更江戸で何かがあるわけでもないし、村にも寄らないと思うから何でもいいや。










――――数刻後――――







「では、江戸へ参るとしよう」