月華side
平助の隣までやっと来られた私はやっとの思いで平助と…と考えていたのに、視線を動かすと平助と花魁が接物をしていた。
「っ!」
あまりにも突然の事で理解できない私はまだお酒が入った徳利を落としてしまった。
「キャっ…」
まだ暖かいお酒が私にかぶる。
短い悲鳴で我に返ったのか平助はこっちを見ていた。
今はその視線と自分の嫉妬心から逃れたくて乱れた振袖を強引に持ち、平助が私の名前を呼んでいるのにも関わらず振り返ることなく部屋を後にした。
胸が苦しいよぉ…
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