平助side
月華の姿が見当たらない。
「ねぇ、藤堂はん~」
さっきから上目遣いをしてくる花魁をよそに月華の姿を探すがやはりいない。
隣にいる一くんに聞こうとした時、
「失礼します~小雪と、」
「月です。」
前にも一度あいつが花魁の姿になった事があった…
「月華…」
花魁姿になっているあいつの方へと行こうとするがふいに腕をぐいっと引っ張られた。
「小春をおいて何処へゆきますん??」
さっきまではまだ我慢できていた上目遣いも今では苛立ちしか覚えない。
少し離れるというのだが花魁は聞かなかった。
「月k…じゃないんだよね、月、お酌して。」
「総司、はん…はぃ。馴れなくてごめんね」