「新八さん、酒臭い…」



「そう言うなって、がははははっ!」




馬鹿笑いする新八さんの腕をどけ視線を彼へと戻すが一人の花魁と左之さんが視界に入り込んできた。




「よぉ、月華。ちょいと着いて来い」




左之さんに言われるままに私は花魁と隣の部屋へ移った。




「あ、の…?」


「大丈夫、あんさんをお綺麗にするだけさかい。」


「え?」



「聞きましたえ?あんさん、藤堂はんを好いてるんやろ?」




ドキリと心が震えた。



視線を上げると色気ある笑みで私の髪をいじる花魁が目に入った。




「あんさんは女子なんやから、幸せにしてもらわんとあかんゆえ?」





はい、できたと鏡の前に私を座らせた花魁は「綺麗や」といってくれた。



さっきまで羨ましくて仕方がなかった振袖は黄色い花が散りばめていて小さなてふが踊っていた。