月華side
いつでも平助の言葉は私の背中を押してくれる。
私は一人で池田屋へと向かった。
もう何もない池田屋の隅に黄色い花を置いた。
兄様と記憶上曖昧な男の子がいる。
もしかしたらその男の子が時斗だったのかもしれない。
昔、二人は黄色い花を私みたいだと言ってくれた。
だから、黄色い花は私の誓いの印。
「ねぇ、無力な私だけど、愛してくれた二人に恥じないように強くなるから」
そういい残して私は池田屋に背を向けた。
ビユッと風が吹いた。
まるで、頑張れと背中を押してくれているようだ…
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