重い瞼をゆっくりと開く。
視界に入り込んでくるのはやはり声を抑えて泣くあいつだった。
俺は何も言わずに伸ばした手でその雫を拭った。
俺が起きた事に要約気付いた月華はまた雫を零した。
「へっすけっ!!」
「泣くなって…拭った意味ねぇだろ?」
一生懸命涙を止めようと手で擦っているが全然止まっていない。
落ち着かせるつもりで髪を撫でてやるとまたボロボロと零した。
「えぇ?」
「だってぇー…」
身体を起こすと泣きじゃくる月華は抱きついていた。
「うおっ?!」
「ふぇ…」
まぁ、でも、無理もないか…
一度に多くのものを失ったから…