土方さん達はわかっていたように皆部屋に集まっていた。
私も静かに指を指された場所へ腰をおろした。
「…で、山崎から聞いている…はなs…報告してくれるか?」
気を使わせてしまったかな…
でも、今はそれどころじゃない、一刻も早く報告しなくては…
自分を落ち着かせるように私は深呼吸をし、土方さんの瞳を捕らえた。
「御報告します…風の強い日を狙い京に火をはなち一橋様、松平様等の暗殺、及び天皇誘拐の計画をたてているらしいです。その密談場所までは聞き出せませんでした…申し訳ありません…。しかし、いつもは池田屋で行っているらしく、それを考えるのであれば四国屋で行うのではとも考えています。でも、またその裏を読まれていれば池田屋の可能性も…。
すみません…曖昧で…もっとちゃんと聞き出せば…」
報告を終えた私は今まで捉えていた土方さんの瞳から逃げるように目を逸らした。
「よくやった」
その言葉に驚き私は顔を上げる。
目の前にはさっきまで遠くにいた土方さんの顔があり、優しい瞳で私の目を捉えた。
驚きを隠せない私は土方さんの瞳を覗くことしかできなかった。
土方さんの手が動いたと思うと頭にふわっとした感触が降り注いだ。
「よくやった」
そしてまた土方さんは私の髪を撫でながら笑った