「私だってわかっている!!!!!!!!
憎しみのために人を斬ることがどれほど愚かなことか!!
でも、もし。
あなたが愛してやまない大切なものが突然触れることすらできないくらいボロボロになって自分の目の前にあったとしたら、あなたは今の私みたいに冷静ではいられないだろう!
例えば…」
私は飾られてある刀を奪うように手に持ち抜刀しお梅さんの首筋にそれを当てる。
「キャァ?!」
お梅さんは恐怖を表わすように短く叫ぶ。
芹沢という男も平然を装っているようだが焦りと怒りを感じられる。
「私がお梅さんを殺そうとしている。
あなたは冷静でいられるか?」
「うぅ…」
お梅さんは恐怖から頬を濡らしていく。
「いられる訳がないでしょ?」
私はお梅さんの耳元で「ごめんさない」と言い刀を鞘に戻した。
その声が震えていたなんて私は知らなかった。
知っているのはお梅だけ。
月華side*end