“一生の傷をおう”その言の葉が俺の頭を支配する。



力を込めていた拳はがたがたと震えてしまう。



もう、様子見なんて無駄な時間は使えない。



そう思った時、山崎君が何かを言ったような気がしたが俺は裏の戸を高く上げた足で蹴飛ばした。




静かな京にはやけにその大きな音は響く。

中からは顔を青くした古高と、無に等しい表情で立っている月華がいた。




俺は何も考えることなく刀を抜くと頭の隅にある長州という言葉から身値打ちで古高の腹部やる。





古高は苦しそうに腹部を押さえ意識を手放した。




倒れている古高を山崎くんに預けて俺は月華の傍に寄るけど、月華は何処を見つめているのかわからない瞳で俺を見る。




その瞳には俺は映しているはずなのに映ってなんかいなかった。