平助side








月華を呼び止めることすらできずに俺達幹部は誰一人と言葉を発していなかった。





静寂の中で時折聞こえる土方さんの苦しそうな溜め息。




今、あんたは何を考えてんだ?



そんな疑問ですら届くわけもなく「今日は戻れ」の土方さんの一言で俺達幹部はそれぞれの部屋へ戻った。





たまたま立ち止まった廊下では月がよく見えて何故か俺はその月に早く行けと言われているようだった。






そんな事あるわけないと月と自分を馬鹿にして部屋の戸を開けた。





が、









月華の姿はそこにはなかった。








気付いた時には俺の脚は古高の店へ向かって動いていた。



屯所内をまず探せばいい、何処かにいるかもしれないのだから、



けど、今行かないと手遅れになるような気がしてならなかった。