すると、メルさんはお揃いのハーブティーに一口口をつけると、麗しい唇から言葉を紡ぐ。


「結論は本当にその子、その子で違うわ。この場で別れちゃった子もいれば、一緒に“オトコの娘"を楽しむ子もいる。すぐに結論を出す子もいるし、時間がかかる子だっている」

「そうですか……」


要は、自分自身の決断力や“オトコの娘”への理解の大きさ、相手をどれだけ大切に思っているかといった気持ちの問題なのだろう。

はっきりと「こうするべき」と言われても、それはそれで困っただろうけれど、メルさんの言い方には、話は聞くけど決断するのはあなたよという、一種のブレない姿勢があった。

そうなると、メルさんがどんなアドバイスをしているのかという質問は、もう答えも出ているし、しないほうがいいだろう。

あたしだってそこまでバカじゃない。


結局は葉司とあたしの問題、か……。

メルさんの答えを想像していなかったわけではないけれど、進むどころか振り出しに戻ってしまって、なんだか宙ぶらりんな気分だ。

と……。


「マコ!ごめんっ!!」

「……ええと、なんて呼んだらいいか分かんないけど、メルさんとお茶してたから大丈夫」


バカデカい女子高生・愛菜……もとい葉司が、転がるようにスタッフルームに入ってきた。