明け方。
「ぶえぇぇぇっくしょい!うー……」
もうお決まりになりつつある、女の子らしからぬ豪快なくしゃみをしたあたしは、鼻をかんだティッシュを片手でくしゃっと丸め、ぺいっ。
そこら辺に放り投げた。
暖房をつけ、ヒーターも脇に置き、分厚い毛布にくるまっていても、一睡もしていない体は体力が奪われており、内側がじわじわ寒い。
「ああ、クリスマスだなぁ」
キリスト生誕、バンザーイ……。
すごくおめでたい日なのだろうけれど、なんだかあたしはもう、祝うどころか、あたしの全部に自信がなくなっちゃったよ、マジで。
恋にも、人間関係にもさ。
一晩経って恐怖心は薄れたものの、今のあたしは、もっぱらテンションがだだ下がりだった。
「なんでこうなっちゃったかなぁ……」
頭まで毛布をかぶり、丸めた体をぎゅっと抱きしめ、膝に額を押しつけると、昨夜から何度言ったか分からない台詞をまたもや吐く。
誰のせい、というのはない。
しいて言うならば、キリストのせいだ。
……いやいやいや。
日頃のあたしの行い、というか、葉司のオトコの娘化で言えば、あたしの心の狭さが別れてしまった原因であり、茨城先輩のことで言えば、人を見る目がなかったと、そういうことだ。