それはさておき。

ソファーに座り直し、軽く咳払いをすると、あたしは「長くなるけど」と前置きをしてから、茨城先輩とのことを順に話していった。

嬉し恥ずかしの可愛い発言は、だいぶ考えてみても、やはりどう反応したらいいか困ってしまい、とりあえず心に留めておくことにした。

……うん、じわじわ嬉しい。


そうして、クリスマスディナーの招待券を懸賞で当てた先輩に七面鳥で釣られたところから葉司の飛び蹴りまでを話し終わると、葉司は額に手をやり、ふるふると力なく頭を振る。

ああ、葉司の気持ちは分かるよ、うん。

頼むから何も言わないでくれ……。

けれど、悲しいことに、葉司の反応はそれだけには留まらなかった。


「マコさぁ」

「ハイ」

「いや。はあぁぁぁぁぁぁぁ……」


何か言いたげに口を開いたものの、あたしのバカさ加減に言葉にならないくらいの衝撃を受けたのだろう、うつろな目であたしを見ると、とんでもなく長いため息をつく。

葉司が言いたいことは、さしずめ、そんなおバカさんなのに、よく無事で生還できたよね、そういったところのように思う。

当のあたしでさえ、そう思うのだ。

葉司の様子からも、間違ってはいないはずだ。