そんなの、あんまりじゃないか。

第一、あたしのカラダなんか、胸の形や大きさも、腰のくびれも、お尻のぷるりん具合も、ただただ“フツー"で大した魅力もない。

こんなあたしでも好きだと言ってくれていた葉司だからこそ、最後までその……できたのだ。

あたしのカラダを見て先輩の大事なものがげんなりしちゃっても、それで先輩が怒っちゃったとしても、あたしには責任は取れない。


ああ、もう……。

今日は1日、ことあるたびに、とんだクリスマスだ、と心の中で毒づいてきたけれど、最後の最後にこんな落とし穴が待っていたなんて。

こんなことになるんだったら、七面鳥のほうを諦めて、部屋でおとなしく 『You're not being true to yourself』でも観ながら、スーパーのお惣菜のターキーと缶チューハイで独りクリスマスパーチーをしておけばよかった。

……先日、返却されたのだ。

ちなみにイギリス映画らしい。


「うーうーうーっ!!!!」

「チッ。まだ抵抗するか、いい加減諦めろ」


どうやらめぼしいホテルが見つかったらしく、中に入ろうとする先輩に、最後の力を振りしぼって抵抗と逃亡を試みてみる。

けれど、結果は惨敗。