ずっと撫でていた桜空の頬から手を離し、熟れた苺みたいに赤く染まる桜空の唇に指を這わせた。



「これからはずっと俺の側に居ればいい。そうすれば誰もお前を傷付けない。だから、俺から離れんな」

「……タツキは、強いノ?」


ばーか。さっき春臣が言ってたじゃねぇか。heavenのトップに楯突きたい奴らはあの学校にいるわきゃねぇよ。


「学校では誰より、な。それでいいか?」


もう一度こくりと頷く桜空を満足して見遣ると警戒感は解いたのか、腕をだらりと下に下ろした。


「俺も2年だ。鷹嘴樹貴。桜空、お前は俺の女になれ。……彼女になれ、って意味。分かるか?」


目を見張った桜空が、戸惑いを一瞬見せた後無言で大きく頷く。




顎を持ち上げ、今までのように軽くはない濃密なキスを交わした。


桜空の口から漏れる甘い声が、俺から思考を奪っていく。


このままコイツに沈んでしまいたい。