「……ケガはねぇか?」


別に、この女を助けようとしたんじゃない。


ただ、アイツらの行動が、お綺麗事ばかりを並べてその実も伴っていない俺の家族と同類に見えて吐き気がしただけだから、そうしたまでだ。



「……アリ、ガ…ト」

んーだよコイツ、碌に話も出来ねぇのかよ?


振り向いた俺の視界に、銀色の絹糸が絡まった。


絹糸みたいな、綺麗な銀髪。


どういう染め方したらこんな色を出せるんだ?



少しばかり興味を持ってその女に近づいた。


顔を隠すように伸ばされた女の前髪を払い除けて、顎を掴んで上に上げる。


思わず息を飲んだ。



真っ青な、宝石。


綺麗な瑠璃色の宝石が、2つ並んで俺を写し出していた。



外人、だったのか?