保険医からの情事の誘いを無視して素通りし、視聴覚室前の自販機でコーヒーを買った。


やたらと甘い、子供向けのくそ不味いコーヒーだ。


飲まずに側溝にでも捨てようか?それとも春臣にでもやるか。


缶を見ていた視線をふとあげると、視界の端に不快な光景が写って見えた。



何人かのケバい女達が、一人の女を連れ出して周りをとり囲んでいる。


おいおい、女ってのは汚くてえげつねぇ。


腹の中のムカつきは未だ治まらねぇ。


というより、ああいう汚ぇ行動を見たくねぇんだよ。



気がついたら女達の輪のただ中にいて、その気もないのに人助けなんかしている間抜けな自分がいた。