「壁に穴開けたってー?勇者だな、お前」




常時暇潰しに使っている空き教室でサボっていたら、重役出勤してきた春臣に捕まった。




うるせぇ黙ってろ。




大体お前ぇはなんでいつも、へらへらへらへら笑ってんだ。





「お前、heaven のトップになってから特に酷ぇよな。中坊んときよりギスギスしてる」

「……テメェがチャラいだけだろーがよ」




一体コイツだって、俺より不幸な筈なのに、なんだってこうもヘラヘラできるんだ?意味が分かんねぇよ。





春臣の両親と弟は、春臣がまだガキの頃に事故で亡くなった。

天涯孤独になった春臣を親戚達はたらい回しにして厄介払いしたらしい。




俺とは中学ん時からつるんでるが、そん時には奴はもう遺された家に、一人で住んで生活してた。


俺はそんな春臣の家に入り浸り、実家にはほとんど帰っていない。