本場のレースさながらに、フラッグを上げて―――素早くそれを降り下ろした。


瞬間、唸り声を上げて失踪する2台の車。


抜きつ抜かれつを繰り返して、3周目にアルファロメオが壁に接触した時はすごく肝が冷えた。


けれど蒼季は素早く車体をコースに戻し、前に出たテムプラを追いかける。


4周目のカーブでアルファロメオがテムプラを抜いた。





そのまま逃げ切り、赤いアルファロメオが……ゴールラインを割る。





蒼季の勝ち、だ。




ううん、違うよね。


きっと、お祖父ちゃんが守護してくれたから、蒼季は勝てたんだよ。


笑ってお祖母ちゃんを振り替えって見るるとお祖母ちゃんも嬉しそうに笑っていて、思わず手を伸べてハイタッチした。





……お祖母ちゃんのさっきの笑顔は、きっとお祖父ちゃんのことを思い出してたからだったんだね。