お祖母ちゃんが倒れた今、私が助けなきゃとは思ってるけど。


「……兄貴はその間、何すんの?」

お祖母ちゃんが退院するまで、自分は何するつもりだよ馬鹿兄貴。



「俺?俺らは人助け。コイツら使ってちょっと一儲けするわ」


兄貴が顎で指し示したのは、クリスと仲間達。


はぁ!? 一体何しにここまで来た!? お祖母ちゃんを助けに来たんじゃないのか!?


「しんっじらんない。何すんの?」


農場の事ったって、仕事は一杯あるんだよ!? 私だけに押し付ける気!?


「しょうがないじゃん。まさか、ここまで来て知り合いに合うなんて思わないし?ましてソイツが事故って仕事を休業してて、泣きつかれるとか予想外だったし」

「……事故って?」



兄貴には、私が知らないイタリア人の知り合いなんていたっけ?


「婆さんの横のベッドで骨があり得ない方に折れてたヤツ。三宅は高校ん時俺と同クラだったんだよね。で、ヤツが入院してる間、仕事を休業してたら客が減って困るから代理で運び屋やってくれって頼まれてさ」


……知り合いなんてもんじゃないじゃん。世間て狭い。