うわ、すごいユニゾンじゃね?シンクロしてね?



「いや、外に涼みに行こうかと思ってた。案内して?」

「案内…できるほど私も覚えてないけど、葡萄畑とか宿泊棟とか工房とか、見てみる?」


ああ、と蒼季が言って手を繋いできた。



外の気温は夕方でもまだ暑い。それなのに蒼季の手は、ひんやりとして触るのが気持ち良くて。


「……なに人の手を玩んでんだ」


繋いだ手を絡めないで指でくすぐっていたら、蒼季に軽く睨まれた。




宿泊棟は、問題なく営業できてるみたいだった。

蒼季は「ちょっと豪華な民宿みたいだな。ホテルと民宿の中間っぽい」なんて評してくれた。


なら泊まってみなよ、快適なんだから。



葡萄畑を見せようとしたけど、あたりはもう夜の闇に包まれかけてて、肝心の景色が何も見えない。


それなのに蒼季はずんずん前を歩いていく。



ちょっと、場所分かってんの!? 迷子になったら私でも分かんないんだけど!