その後は昼間の葛藤が嘘みたいに楽しく過ごせた。

夜の絶叫ホラー系のアトラクションから降りた蒼季は、文字通り気絶しかけていて。

いつもはすました顔で嫌味なんか言ってるのにおかしくて大笑いしてしまう。


夜景を望みながらハイスピードで風を切る爽快感には、私はたまらなく興奮したんだけどなぁ。


「……こういう弱いとこ見られたくないから嫌なんだよ……」


ぷふ。

蒼季の弱音って珍しい。

まだ具合が悪いのか、青い顔で吐きそうな表情のままベンチに伸びきる蒼季の額に手を乗せた。


「ごめんね。私の為に無理してくれて」

「……いや、別にいい。次はなんだよ?こうなりゃ何にでも付き合うから」


……私だってそこまで酷いことしないんですけどね。


「次は絶叫系じゃないよ?夜のショーが始まるもん」